1.62017
猫がひもで遊んでいる姿、非常にかわいいですね。
私はひもで遊んでいる姿を、眺めているのが好きです。
しかし、それが時に大変な事になります。
それが「ひも状異物」です
動物病院では「異物」という言葉がよくでます。
吐き気で動物病院を受診したとき、
「異物を食べた可能性はないですか?」と聞かれた事はないでしょうか?
あまりピンとこない言葉かも知れません。
異物とは、『犬猫が食べ物でないものを飲み込むこと』です。
おもちゃ、靴下、タオル、糸、モモの種、硬貨、トウモロコシの芯など
よく飲み込めたなという物もあります。
猫ではあまり異物は多くありません。
ただ、ひもだけは猫にとって特別に魅力的なようです。
今回は、吐きが止まらない、食欲がない、という猫ちゃんです。
「もしかしたら、糸で遊んでいたかもしれない」
と言うお話がありましたので
エコー検査でお腹の中を、しっかり見ていきます。
エコーでは、細い糸はみえない事が多いです。
そこで「消化管の縮れ度合い」を見ていきます。
ひもが消化管内で長くつながっていると、消化管が縮れます。
イメージはパーカーについているひもです。
パーカーのひもを引っ張ると、見事に縮れます。
この縮れが腸管におきます。
最悪の場合、腸管が裂けてしまう事があります。
この子は、エコーで腸管の縮れと運動障害がみられたので、
開腹手術となりました。
実際に見てみると、腸管内のひもによって縮れています。
(手術の写真が苦手な方はクリックしないでくださいね)
無理に引っ張ると腸が裂けるので、結局5カ所切開が必要でした。
実際に出てきたのは刺繍用の糸でした。
胃から小腸全体につながっていました。
手術後は4−5日の入院が必要ですが、元気に退院しました。
手術が遅いと手遅れになる事があります。
ひもを飲み込んだかもと思ったら、早めにご来院ください。
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