外科手術

子犬のお腹がパンパンです|幽門狭窄

「ペットショップやブリーダーさんで運命の出会いをする」

ここからわんちゃんとの楽しい生活が始まります。

ほとんどの子犬は問題なく大きくなっていきますが、中にはちょっと生まれつきの問題を抱えている子も…

心臓、食道、内臓、水頭症などの奇形をたまに見ます。

 

今日は4ヶ月のフレンチブルドックのお腹がパンパンになって吐いてしまう病気です。

 

この子はよく食べるのですが、常にお腹がパンパンです。

オーナーさんは太りすぎなのかと思うぐらいです。

また、食後12時間しても前回のご飯を吐くことがあります。

12時間したら普通は胃の中空っぽで、腹ぺこです。

 

胃からの排出に問題がありそうなので、エコー検査で胃を確認していきます。

胃は噴門(胃の入り口)から入って、消化されて幽門(胃の出口)から出て行きます。

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この子の場合、幽門(胃の出口)の所の粘膜と筋肉がぶ厚くなり、胃からご飯が出て行かなくなっていました。

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胃の出口が塞がって、ご飯が進まない病気を幽門狭窄といいます。

フレンチブルドックなどの短頭種では、生まれつき幽門の筋肉が厚くなる事があります。

ただこの子は筋肉と粘膜も厚くなっているので、よく見るタイプでは無いようです。

 

子犬で十分な量を食べれないと成長不良になります。

そのため胃の出口を広げる手術を行いました。

胃の出口の所を切開して、大きく広がるように縫合します。

厚くなった粘膜も切除していきます。

手術の画像が開きます。苦手な方はクリックしないでください。

手術の画像が開きます。苦手な方はクリックしないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手術後は大きな問題もなく、胃からも食べ物が流れています。

お腹がパンパンに張ることもなくなりました。

胃からものが流れずに吐いたり、胃がパンパンになっていたんですね。

 

切除した粘膜の病理検査では、ヘリコバクター様の菌が多く見られました。

ヘリコバクター・ピロリは人間では胃潰瘍や胃癌の原因になります。

動物でははっきりと証明はされていませんが、胃炎に関連があるように思います。

今回は抗生剤でヘリコバクター様菌を除菌する事にしました。

 

除菌がうまくいけば、元気に成長していってくれると思います。

子犬の成長は診察の楽しみでもあります。

 

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岐阜市柳津町丸野4−17−1  はづき動物病院

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