動物病院のちょっとしたこと

がん学会に参加してきました

7月1日、2日と東京で開催された日本獣医がん学会に参加してきました。

1日は休診でご迷惑をおかけしました。

 

ひさしぶりに東京に行きましたが、高層ビルばかりです。

普段カラフルタウンより高い建物を見ないので、くらくらします。

東京駅周辺

 

 

 

 

 

 

 

肝心の学会ですが、今回のメインテーマは『消化器型リンパ腫』でした。

以前ブログにも書いた事がある、血液の腫瘍です。

猫の消化器のリンパ腫

 

このリンパ腫の分野は進歩が速い分野でもあります。

使う抗癌剤等には大きな変化はありませんが、

この当時治療していたのと少し変わってきたところがあります。

 

外科手術を抗癌剤の前にするかどうかです。

以前は猫の消化器のリンパ腫は、消化管に穴が空きそうや、

消化管が腫瘍で詰まってしまっている時以外は、手術をせず抗癌剤をしていました。

 

しかし、今回の学会で

『猫の消化管のリンパ腫では手術を先に行って、その後に抗癌剤を使うと

40%の猫で数年以上生きられる(=ほぼ治ったといっていい?)」

と言う事です。

な、なんと…ひさしぶりに衝撃的な報告です。

 

まだ症例数は少ないのであまり断定的な事は言えないですが、

治療方針が少し変わりそうです。

もちろん手術をすべきリンパ腫のタイプと、しないでもいいタイプがあるので

全ての症例で手術はすべきではありません。

 

少しマニアックな内容になってしまいましたが、

その他、学会でたくさんの事を勉強してきました。

動物医療は日進月歩です。

従来の治療と新しい治療も提案する事は大切なのかと思います。

 

休診を頂いた分、明日からの診察に活かせるよう頑張ります。

 

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