外科手術

女の子なのに男の子?|犬の半陰陽

動物病院にはたくさんの病気の子が来ます。

とっても重症だったり、中には非常に珍しい病気まで。

今回は、ちょっと珍しい病気をもった子をご紹介します。

 

膣から腫瘍?がでています

この子は非常に可愛い柴犬です。

まだ1歳にならないくらいの『女の子』です。

可愛い盛りです。

 

しかし何かおかしい…

飼い主様が陰部より「何か」が飛び出ている事に気づきました。

 

避妊手術の時期でもあったので、お近くの病院に相談されました。

膣の腫瘍の疑いという事で、切除と避妊手術の予定になったそうです。

しかし、手術してみると尿道が近く切除できないとの事でした。

避妊手術は無事に終わったそうです。

 

そこで「今後どうしたらいいか」のご相談に

当院にご来院いただきました。

 

 

実は腫瘍ではなく、男の子なんです

 

みせていただくと、確かに膣から何か飛び出しています。

本人が気にするのか、地面に擦れてか赤くなっています。

触ってみると、骨っぽく硬い。

レントゲンを撮ってみます。

やはり骨のようです。

ここの場所に正常で骨はありません。

どうやら、腫瘍ではなさそうです。

生まれつきの先天性異常です。

女の子ですが男の子の状態です。

 

女の子なのに男の子?半陰陽とは

ややこしい書き方になりましたが、

これは半陰陽という生まれつきのものです。

 

体の見た目は女の子なのですが、陰茎が膣から飛び出していたのです。

体の中で、女の子の部分と男の子の部分がいり混じっている状態です。

 

避妊手術は終わっているのではっきりとはわかりませんが、

卵巣の代わりに精巣がついていたり、両方ついたかもしれません。

 

治療はどうする?

現状で問題になるのは、膣から飛び出した陰茎骨です。

何も問題を起こさなければ、様子をみるのも選択肢ですが、

この子は擦れて、気にしているようです。

 

将来的にずっとはこの状態は可哀想とのことで

手術で摘出することになりました。

 

結構大変な膣の手術

 

切除自体は問題なくできます。

ただし、尿道がすぐ近くにあるので、これを絶対に傷つけてはいけません。

傷つけるとおしっこが出なくなってしまいます。

 

尿道を確認するために尿道カテーテルをいれます。

会陰切開をして、尿道をしっかり見えるようにして

手術の画像が開きます。苦手な方はご注意ください

 

尿道を傷つけない慎重に切除します。

手術の画像が開きます。
苦手な方はお気をつけください

 

すっきりとれました。

あとは縫合して終わりです。

ぽこっと飛び出していたのがなくなりましたね。

手術後カテーテルを抜いてもおしっこが出ることを確認して

退院です。

術後はしばらくお尻を気にしていましたが、

抜糸の頃には、元気にお散歩でおしっこをしていました。

 

病理検査では、やはり陰茎骨との事でした。

 

結局女の子?男の子?

とっても珍しい病気の子でした。

飼い主さんからの質問

『結局うちの子は女の子ですか?男の子ですか?』

最近うけた質問の中で一番の難問です。

 

今は避妊手術も終わって、陰茎骨も切除したので

すっかり女の子です。

 

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岐阜市柳津町丸野4−17−1  はづき動物病院 

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