10.162017
お耳を掻いているわんちゃん、結構多いと思います。
夏の外来診察の1割くらいが、耳の痒みだったんじゃないかと思うくらいです。
「お耳が痒いのはかわいそうだけど、なかなか病院つれていけない…」
しかしある日こんな事が起きる事があります。
触ってみると、耳介(耳たぶ)が水風船みたいに液体がたまっています。
この子にいったい何が起きたのでしょうか…?
今日はこんなお話です。
この子は以前から耳が悪く、外耳炎を繰り返していました。
お耳をかいたり、頭を振ったりしていました。
そしてある日、突然耳が膨らんできたので、来院しました。
耳たぶの中に溜まっている液体を抜いてみます。
そうすると、40cc近い血液が抜けてきました。
これは耳血腫です。
耳血腫とは、耳介(耳たぶ)の軟骨の中で出血して、血溜まりになってしまう病気です。
原因の多くは、外耳炎などで耳をかく、頭を振る事が関わっていると言われています。
この子も、外耳炎が元になり耳血腫を起してしまったようです。
耳血腫は命に関わる病気ではありません。
しかし、血が溜まったままでは痛みや不快感もありますし、
血が吸収される(結構時間がかかります)頃には、耳の形が変形してしまいます。
変形した耳は例えるなら、水餃子みたいな形になります。
この子も血を抜いたあと圧迫包帯をしてみましたが、
やはり溜まり続けるので手術をする事になりました。
(耳は軟骨なので針を刺すと痛い場所です。
血を抜くのを繰り返すなら手術の方が負担は少ないと思います)
手術は、耳の中に溜まった血液の固まりを洗い流すのと、血液が溜まるスペースを縫い縮めます。
結構大変ですが、いい加減なことをすると再発するのでしっかり縫合します。
しばらく包帯が必要ですが、2週間後には順次抜糸していきました。
写真では糸の跡が残っていますが、現在ではきれいになり、耳の変形もありません。
命に関わる病気ではないけれども、可愛い外見を保つのも、
わんちゃん自身にも快適に生活してもらう事も大事なことだと思います。
でももっと大事な事は、外耳炎かなと思ったら診察を受けてもらう事です。
耳血腫になる前なら、きっとお薬で治せます。
早めにご相談くださいね。
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岐阜市柳津町丸野4−17−1 はづき動物病院
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