抗がん剤ってどんなときに必要ですか?
抗がん剤は血液の腫瘍では、それ自体の治療に使います。
癌であれば転移や再発を抑える事がメインの役割です。
手術で摘出できない大きさの腫瘍を、手術前に小さくするために使う事もまれにあります。
副作用はつらいですか?
人間の抗がん剤でイメージするほど、つらい副作用は通常少ないです。
多くの副作用は数日以内に改善し、元に戻ります。
抗がん剤投与でも普段と変わらない生活を送れる子の方が多数です。
どれくらいの頻度と期間続けますか?
腫瘍の種類によって様々ですが、4-6ヶ月程度続ける事が多いです。
頻度は腫瘍の種類により、3週に一回程度、種類によっては週1回です。
具体的に副作用を教えてください
注射の抗がん剤は細胞の分裂を抑える役割です。
腫瘍細胞は、分裂してどんどん増えていくためそこを止めます。
しかし、正常な分裂の盛んな細胞にも効いてしまいます。
①骨髄に効けば白血球 の数が減ります。
白血球 の数が下が減るのは通常一時的で、自覚症状はありません。
しかし細菌感染などに弱い状態なので抗生剤を飲んでいただく事があります。
②腸管の細胞に効けば下痢や吐きが起こります。
こちらも数日間で通常回復します。
③毛根の細胞に効けば毛が抜けます。
トイプードルやシュナウザーなどではまれに薄くなる事もありますが、
通常はヒゲの本数が減る程度で脱毛で困る事はありません。
その他は使う種類の抗がん剤により異なりますが
上の3つは共通です。
抗がん剤投与で完治しますか?
完治を目指して治療する事も多いです。しかし、状態によっては症状を和らげる、再発や転移を遅らせる目的で投与します。
抗がん剤の投与を行えば完治すると断言はできません。
高齢なのですが大丈夫ですか?
腫瘍になる、わんちゃん猫ちゃんは通常高齢です。高齢でも投与をおすすめする事が多いです。
ただし、腎臓や肝臓の機能には細心の注意を払って治療していきます。
手術後に抗がん剤を勧められました。少し様子をみてから決めたいですが
抗がん剤は手術直後の、残っている腫瘍細胞が少ない時が最も効果を発揮します。
投与を行うのであれば、抜糸ができたらすぐ行う方が効果的です。
投与中に気をつける事はありますか?
白血球が下がりやすい子は、朝晩の検温をお勧めしています。
寝ているときなど安静時に、お尻で測ってください。
39.2度以上であれば熱があるかも知れないのでご連絡ください。
おしっこやうんちに抗がん剤が排泄されますか?
抗がん剤のタイプによって尿または便中に微量排泄されます。
投与後2-3日は、ペットシーツはビニールに入れて捨てて、よく手を洗ってください。
副作用の少ない抗がん剤はないですか?
近年、分子標的薬が動物でも使われています。
一般的な抗がん剤は腫瘍細胞以外にも攻撃し副作用がでます。
分子標的薬は、腫瘍の細胞に特別な分子をターゲットにします。
よって通常の細胞が攻撃されにくく、一般に副作用は少なめです。
抗がん剤治療はしない方がいいと、動物病院でいわれたのですが
抗がん剤治療が本当に必要ないか一度ご相談ください。
入院は必要ですか?
通常、外来で投与します。
多くの抗がん剤が注射ですので、10分から半日程度(使う抗がん剤の種類によります)お預かりします。
リンパ腫など初回の投与や、状態が悪い場合は入院して投与する事もあります。
はづき動物病院の腫瘍(がん)治療について
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