腫瘍(がん)治療について

日本獣医がん学会が認定する資格です。
腫瘍の診断、治療において高度な知識と技能を認定された獣医師に与えられます。

認定医には1種と2種があり、1種は2種の上級の資格です。1種認定医はより専門的な治療を行うことができます。
1種認定医を取得するためにはまず2種認定を取得しなければなりません。

2018年現在1種認定医は44名、2種認定は400名です。
1種認定医は全国的にも少なく岐阜県では、取得者は院長ひとりのみです。

動物医療の進歩により、犬猫の平均寿命は格段にのびています。それにより犬の54%、猫の38%が腫瘍(がん)が原因で亡くなります。

腫瘍(がん)の治療には、非常に専門的な知識と経験が必要になります。
転院してくる症例では「治療法さえ間違えなければ治せたのに」と非常に悔しい思いをする事も多くあります。
ひとりでも多くの子を腫瘍(がん)から救うために、はづき動物病院では腫瘍の専門家として認定医が診察を行います。
治せる腫瘍(がん)も多くあります。なるべく早くご相談ください。

検査の流れ

腫瘍(がん)は、「しこり」、「できもの」として体のどこにでもできます。
腫瘍が良性なのか悪性なのか、どこまで広がっているのか、転移はあるのかを検査や問診を通して調べていきます。
治療法を決定する最も重要なステップです。

細胞診

注射用の針を使い腫瘍より細胞をとります。とった細胞を染色し顕微鏡で見ます。腫瘍の種類によってはこの検査で、その場で診断がつきます。痛みはほとんどなく、全身麻酔も通常必要ありません。

細胞診は当院の得意分野であり医学雑誌にも記事を執筆しています。(MVM 159 January 2016 細胞診の兵法) 他院で試験開腹(診断のために開腹手術すること)でしか診断ができなかった病気が細胞診で診断できることもあります。

細胞診
細胞診

レントゲン・エコー

体の表面の腫瘍(がん)は目で見て簡単に確認できますが、肺や内臓ではできません。
そのためレントゲンやエコー検査を駆使して、腫瘍の広がりや転移の有無を確認します。
必要に応じてCT検査を大学病院等にお願いすることがあります。

レントゲン・エコー
レントゲン・エコー

血液検査

腫瘍(がん)による血液検査の異常、合併症、手術が必要になったときの麻酔の安全性を調べます。

組織生検

腫瘍をかたまり(組織)としてとり、正確な診断をします。鎮静や麻酔が必要になる事があり、結果が出るまで1週間程度時間が必要です。
細胞診で診断がつかないときに行います。

検査結果をすべてふまえて、診断と治療方法をお話いたします。
その腫瘍の特徴、それぞれの治療方法のメリット、デメリット、治療成績をできるだけわかりやすくご説明します。そして飼い主様にご納得いただける治療を選んでいただきます。
わからない所はなんでも聞いてください。ここから飼い主様と獣医師の二人三脚の治療がスタートします。


治療の流れ

腫瘍(がん)の治療は、外科手術、抗癌剤、放射線治療を中心に行います。
腫瘍の種類により効果的な治療が異なります。

外科手術

手術により腫瘍を摘出します。種類によっては手術で完治させられます。
一番最初の手術が成功するかどうかで、大きくその後が変わります。
しっかりと計画し、専門的な知識をもつ病院での手術をお勧めします。
当院では、完治を目指しつつも、痛みや負担を最小限にした手術を行います。

外科手術

抗がん剤

リンパ腫などの血液系腫瘍や、手術後の転移、再発を予防するために行いないます。
抗がん剤の投与は多くの経験と、専門的な知識が必要な治療です。
基本的に外来通院で可能で、人間で行われる抗がん剤のようなつらい副作用は通常でません。抗がん剤投与中とわからない程、元気に日常生活を送る子が多くいます。
ただし副作用の予防や、でてしまったときには、飼い主様の協力と適切な対処が必要です。飼い主様も不安なく過ごせるよう、気をつけていただく点などをお話いたします。
当院では副作用をできるだけ抑えつつ、最大の効果をだせるように投与します。

抗がん剤についてよくあるご質問

抗癌剤

放射線療法

手術不可能な部位や、手術後に再発する可能性が高いときに患部に放射線をあてます。
抗癌剤のように全身には効かず、放射線をあてた部位に効果がでます。
放射線療法は全身麻酔が必要です。放射線照射には痛みなどはありません。ご希望される方は、大学病院にご紹介いたします。


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